bisonのつくりかた

サッカーロボットを作ってみた

こんにちは.

RCJサッカーオープンという競技に持って行ったロボットの製作記録のようなものです.最終的にはこんな感じになりました.

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かっこいいですね.

見た目はそれっぽいのですが製作期間はロボコンのシーズンオフからロボカップの大会までの期間は4か月ほどです.ロボカップ歴は2年ですが実質8か月のド素人ですので,全体的に構成はシンプルです.

競技のルールは,ざっくりいうとオレンジのボールを相手のゴールに入れたら勝ちです.その間白線から外へは出られず,ラインセンサでそれを検知し動かなければいけません.ボールはカメラで検知することにします.

一年目

設計

難しいことは考えず,三層構成にしてそれぞれ足回り,制御基板,カメラとし積み上げていくことにして設計してみます.

足回り

まず足回りのモーターです.今回使うのはいわゆるダイセンモータ,ギヤ比15:1のRA250015-58Y91というものです.

モータマウントとギヤヘッドがモータとセットで1540円,出力軸にピンをさすことができねじ切りもされていて扱いが非常に簡単というメリットがあります.半面で,今回の用途にはかなり強度不足ですが開発期間が短いので妥協します.

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どんどん設計していきます.次はモータに取り付けるホイールです.

平行移動含め全方位に移動できるオムニホイールというタイヤを使います.Fusion360というCADソフトでモデリングして3dプリンタで印刷します.画像で黒いところはOリングで,グリップ力の足しになればとつけてみました.

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次に土台のプレートです.アルミを加工して作ります.モータの位置に取り付け穴をあけ,ラインセンサとかこまごまとした穴も適当に開けておきます.

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キッカー

そしてキッカー,ボールをける機構を作ります.ソレノイドという電気を流すとシリンダが動く部品を使います.昇圧回路は秋月の30Ⅴ昇圧回路を使い3300uFのコンデンサに充電します.ソレノイドはタカハのCB1037の15Ωを使うことにしました.上下に取り付け穴がついているので,上の取付穴にスペーサをつけ,それをガイドとしてキックプレートをスライドさせます.キックプレートはアルミをまげて作ります.

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後は取り付けて足回りは完成です.ついでに二段目も作っておきます.

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ドリブラ

ロボカップではドリブラという機構でボールを保持できます.ボールに逆回転をかけることで自分のほうへ常に転がってくるようにすることで保持します.今回は二段目に基板とこのドリブラを取り付けることにしました.ということで作ってみます.

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詳しく見ていきます.赤いのがブラシレスモータで,三つの歯車を挟んで手前の円柱(シリコンチューブ)をまわします.これをボールに押し付けて回転を伝えます.

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反対側です.こちらにはリミットスイッチとサスペンションを仕込んで置きます.

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全方位カメラ

カメラはOpenMVというモジュールを使用し,ミラーフィルムをホットプレートであぶり柔らかくして,3dプリンタの型に押し付けて全方位カメラを作ります.それっぽくケースに入れて三層目に乗っけたら完成です.半円を下からカメラでのぞき込むことで360の視界でボールを探し出すことができます.反射するお玉とかの裏をみると正面だけでなく周りが見えるのと同じです.

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一通りを取り付けて積み上げてみました.各段は高ナットで接続し,一段目にはカバーをつけてみました.一段目に埋まっている赤いものはバッテリーです.Li-Po3sellを使用します.

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製作

つくります.

ごりごりごり.

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エンドミルぼきっ

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次は回路です.

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回路図かいてパターンに起こして基板を発注します.

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f:id:bison0522:20200417002813j:plainはんだ付け

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組み立てます.

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ラインセンサも付きました.LEDはフルカラーで,送受信は計30組です.すべてアナログで読み取るので,白線のみでなく持ち上げも検知できます.6組ごとにPICマイコンで制御しており,I2Cという通信方式でメインのPICとやり取りします.電源起動時に読み取ったラインセンサの値を基準として一定以上反射した場合は白線,一定以下まで反射が弱まれば持ち上げられたことが認識できます.強いってことです.

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カバーはt0.1のアルミをまげて取り付けます.

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ドリブラーの動作確認をします.

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ハンドルを取り付けます.

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全方位カメラよさげですね.ばーっとプログラムかいてちょっとカメラケースのデザインを変更しました.あと,AmazonでLi-poバッテリ買ったら,容量,電圧は同じで出力が大きいの間違って買っちゃったみたいです.二層目の基板を一層目におろし,二層目にバッテリを載せることにしました.あとカバー邪魔なのでとりました.

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完成です.超音波センサつけました.

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ロボットは完成しましたが大会当日になりカメラとの通信ができないバグで試合ではまともに動きませんでした.ドリブラも回せずシリコンチューブはボールをホールドしないよう外しました.二年目に持ち越します.

二年目

後はバグ直すだけです.原因はモータドライバとジャイロ,ラインセンサとI2Cモジュールが増えたことでタイムアウトが発生してたことでした.ついでにオムニもボロボロだったので作り変えます.

タイヤ交換映えますね.ばえー

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びー

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ごりごり

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アクセントの黄色がいい.大会の時はゴールの色と被るので黒のものに交換しましたが.

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配線を整えます...あんま変わらんか.上がBefore,下がAfterです.3dプリンタでカバーも付けます.

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見えてる基板はキッカーの昇圧回路です.ボリュームだけ上に出して出力が変えられるようになっています.キッカーの右側に基板がありますが,左側の3dプリンタパーツの中にはコンデンサが埋め込まれています.Beforeの画像にはコンデンサ映ってますがその位置です.基板は一層目にすべて収まったので二層目にはバッテリケースとドリブラ,カメラという構成になりました.あとオムニカバーもかっこよくしました.開きます.

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PICが大量にあるので書き込み端子も大量です.全部フレームに埋め込みました.ここにPICKITぶっさします.二段目に伸びている配線は,バッテリー,スイッチ,カメラとの通信用です.

実際に動かしてみてもう完璧って感じだったんですが,大会当日にダイセンモータが焼き切れました.定格の三倍近くの電圧で使用していたのが悪いのは確かなのですが,よりによって試合の直前かあって感じです.

相変わらずですね.

結局モータ変えて後半から出場しましたが動きはちょいがたつきました.とはいえボールを追ってゴールもしてドリブルもしてキックもしてって感じだったので最低限のものは作れたと思います.モータを強いのにしてオムニをアルミ製に変えればもっと期待できるかもしれません.

とりあえずロボット完成です.

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新型コロナで和歌山の大会が中止となったので,これでRCJはおしまいですがすごい面白かったです.特に競技内容が固定なので,ロボコンと違ってボールを追うプログラムや全方位カメラ,ドリブラなどがかなり洗練されてて,話を聞いてまじかってなることばかりでした.

というわけで以上サッカーロボットの記事でした.

終わりかたが締まりないですが...