bisonのつくりかた

Audio Amplifier

お久しぶりですBisonです.
最近しつこい布教活動のおかげか,PICに興味を持ってくれる後輩が増えてくれました.ロボ研内にmbedやaruduino勢力が蔓延しているのでここでPIC勢も力をつけていきたいところです.
...そもそもPIC勢僕しかおらんわ.
そういえばPICにPIC32MKファミリーあるのに今朝気づきました.
公式によると,

PIC32MK family devices combine 32-Bit, 120Mhz performance with up to 1MB of Flash memory, and a rich peripheral set targeting applications such as motor control, industrial control and Industrial Internet of Things (IIoT) and multi-channel CAN applications.

とのことで,要は強くて周辺機能マシマシってことですね.

MCタイプならCANも乗っててPWMタイマが12個,データシート全く読んでませんが何やらエンコーダ関連の機能も乗ってるみたいです.
大体600~800円以上と若干高めですが,これ一個で5,6個以上のブラシモーター制御できればBMDに使うのも悪くない気がします.ブラシレスも挑戦したいな.
まず今作ってるのしっかり回せよ...

というわけで今回はオーディオアンプを作りたいと思います.
オーディオ初めてやけど.
なのでICと周辺回路組んでおしまいのなんちゃってアンプです.

部品選定

スピーカー

強そうだから手ごろで一番出力ありそうなやつにしよ.
f:id:bison0522:20180829022509j:plain
じゃん.

スピーカーのリンクはこちら

Amazonです.4Ω,MAX60W,86.5 dBらしいです.耐圧とか気にしなくていいのか不安ですがまあ.
ちなみに,86.5 dBは大体セミよりうるさく犬より静からへんです.

アンプIC

f:id:bison0522:20180829022533j:plain

スピーカーがあんなんなのでとりあえず60W以上出力のものを.

ICのリンクはこちら

おなじみ秋月です.4Ω,±28V電源時に68W連続出力だそうです.

その他

今回は抵抗コンデンサ半田などはこだわらず適当に転がってるやつ使います.この項目はパスです.

回路設計

とりあえずデータシート通りに配線します.電源は6cell Li-Po 22.2Vを2つ使って正負電源とします.1cellを3.7Vとすると6callで22.2Vですが,満充電時だいたい1cell 4.2Vなので6cell 25.2Vです.まあ24Vらへんとします.
f:id:bison0522:20180828092542p:plain
”とりあえず”とか”らへん”とか雑なのが目立つな.ソレノイドエンジンの時から分かってたけれども.
地味に回路図変やし.
ここでRmの値とか追加の抵抗とかをデータシート読んで決めていきます.秋月からダウンロードできます.
8ピンから流れる電流を0.5mA以下にしたときミュートになるみたいです.スイッチが開いているときです.このミュートをターンオフするために,Rmはスイッチを閉じたとき0.5mA以上流せる大きさにする必要があります.
Rm≤(|Vee|-2.6V)/I8
で算出できるみたいです.
このI8を0.5mA以上にせよってことですね.今回は|Vee|は24V,I8を倍の1mAとするので21.4kΩです.E24系列のは20kΩを使います.この抵抗の消費電力は21.4mWなので余裕でチップでよさそうです.対応するのは下のグラフです.
f:id:bison0522:20180828102255p:plain

次に平均IC消費電力を計算します.
Pdmax = Vcc2/2(π2)Rl
で算出できます.Vccは全電源電圧でRlがスピーカーの負荷なので,それぞれ48V,4Ωで計算すると 29.2,およそ30Wになりました.

一応ヒートシンクの熱抵抗を求めてみます.
θsa=[(Tjmax-Tamb)-Pdmax(θjc+θcs)]/Pdmax
データシートの5ページよりTjmax=150℃,Tamb=45℃,θjc=1℃/W,θcs=0.2℃/W,Pdmax=30とすると,ヒートシンクの熱抵抗はθsa=2.3以下のものを用いればよさそうです.まあ多分適当なの付けるか大丈夫そうならつけないかだと思いますが...
全く関係ないけど,今年の夏気温40度超えるってやばいですね.蚊がいなくなったのはほんとに過ごしやすかったけど.そして早くも8月は終わりです.今年の夏も青春とは程遠く部室でアルミデートです.
そういえば東大のRoboTechは彼女とベトナム行ったって言えますね.

次は最大電源電圧を算出します.もうLi-Poで設計しちゃったけど.
Vopeak=sqrt(2Rl×Po)
最大電流は次式です.
Iopeak=sqrt((2Po)/Rl)
Poは平均出力電力です.Po=60W,Rl=4Ωとするとそれぞれ21.9V,5.5Aです.
と思いきや,電圧のほうはいろいろあってもうちょいいるみたいです.
Vneed≈±(Vopeak+Vod)(1+r)
Vodはドロップアウト電圧でこの素子では4Vです.rはレギュレーションで通常15%高くなります.
ってことで±29.785V必要です.7cellくらいほしいところですがまあ今回は6cellでやります.
逆に6cellだと何W出るんだろうってことで計算したら大体54.23Wでした.
ちょっと惜しい気がしますが義人良しとしよう.
特に入力インピーダンスに指定はないのでボリュームの抵抗値はこのままにしておきます.
ついでにデータシート読んでてパスコン1μより0.1μのほうがよさげだったので変えました.
最後に利得の計算をします.計算してから気づいたけど,この計算最初にするべきでした.
どれだけの増幅率にしたいかここで計算して,それに合わせて電力,電源電圧を決めるべきでした.
...僕はLi-Po 6cellで揺るぎないんですが.
アンプの増幅率は通常20から200らしいのでこれらをAvとして次式で計算してみます.
Av≥sqrt(Po*Rl)/Vin=Vorms/Vinrms
Po=54W,Rl=4Ωとすると20倍なら735mV,200倍なら73.4mVの感度となります.
54Wで一般的なイヤホンの出力の1Vくらいの感度にしたいときは,Av=14.7,ゲイン15を選択すると999.79mVとなり,いい感じになります.逆に言うと,±24V電源54W出力で1V入力の時の増幅率はおよそ15倍ってことです.およそ15V,3.6Aが最高出力ってことになります.
たぶん.
ってことで回路設計は終わりです.
最終的に特に変更点はありません.電源LEDくらいです.
追加した68pFのコンデンサは,データシートがグランドループのノイズ対策に有効と言っていたので付けました.
f:id:bison0522:20180830003733p:plain

基板設計

ここまで来たら配線するだけです.自動配線頼んだで!

FreeRouting.exe
 >> よっしゃ!まかしとき!
f:id:bison0522:20180830004904p:plain
 >> 知らん文字はいってたで!

ってことで手動で配線しました.このエラー,前回はコンデンサコンポーネント定数に書いてた容量のμをuに直したら消えたんですが今回はわからなかったです.
せめてDSNの何行目で止まったのか教えてほしい...
-追記- パスの日本語成分消したら治りました.最初にやるべきやろ...

f:id:bison0522:20180830010123p:plain
とりあえず完成.学校の基板加工機で切削するので裏レイヤだけです.
この配線,ノイズまみれになりそうでオーディオアンプとして最悪な気はするけど,勉強してないのでよくわかりません.
まあなんちゃってだしいっか...
勉強するか...
学校の基板加工機は古く,対応ソフトはPCBEでガーバー出力しないとうまく読み込まないので,一度KicadからPCBEへデータを移してPCB拡張子データで保存し直します.
めんどくさ.
ってことで最終的に
f:id:bison0522:20180830010825p:plain
こうなって完成です!

まとめ

とりあえずこの後部品発注して基板加工してはんだ付けして完成するのは1週間ほど後になりそうです. 今回はここで終わりにしますが,また完成して燃えたら音が鳴ったら更新することにします.
初めてちゃんとした(してない)内容っぽいこと書いた気がします.
いろいろ計算しましたが,結局は"適当にあるやつ使う"とか,"LiPo6cell変えるつもりない"とかで意味なかったです.
最悪じゃん!!
とかなんとか言ってさよならです.最後までありがとうございました.では.